くにうみの先見

年金運用の成功には、国民の支援も不可欠

また、日本は先進国の中で最も急速に少子高齢化が進むために、所得税中心の税金や現役世代の保険料に頼っていたのでは、将来の年金が払えないことも明確に説明すべきです。不足を補うためには、年金資金の利回り向上が、国民のためにも切実な課題であることも理解が必要です。

そして、短期的な運用成果について、魔女狩りのような責任追及をテレビのワイドショーや国会審議で行わず、あくまで事実と信頼関係に基づく議論を行うことが必要です。

ノルウェー、シンガポール、カナダなど、国民の資金の運用に成功している国は、日本より人口も少なく、政府への信頼も高い国々です。しかし、日本も、年金運用が思い切った国民本位のものに脱皮するとともに、国民もその変化を自分と将来の世代のために支援しなくては、国全体での成功はないでしょう。

こうした改革は、日本の年金の第2次構造改革と言えるでしょう。

次回は、1994年から96年にかけて行われた第1次構造改革を振り返り、日本が抱える問題の本質について述べたいと思います。

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