くにうみの先見

政治や官僚機構とは無縁で専門性の高い人材の採用を

第4に、GPIFを、原理にふさわしい運用機関に変えることです。組織の中心は人です。世界最大規模の資金の運用を世界の市場で行うのですから、世界的な人材を充てるべきでしょう。本人が受けてくれるかは分りませんが、今回のサブプライム危機も予見し巨額の利益を上げたジョージ・ソロスのような人のアドバイスを受けるのもいいでしょう。彼はノルウェーの国民基金の運用のアドバイスをしています。

それはさておき、世界的な運用組織はどのようにして人材を採用しているのかをきちんと研究すれば、方針はきちんと立つはずです。

もちろん、国家としての権限や責任を放棄しろと言っているわけではありません。行政や国民の代表の責任は、運用を委託された人たちが、忠実に日本国民の資産を増やすように努力し、運用の結果を出しているかを確認し、成績を評価し、運用機関を適宜入れ替えることです。この評価自体が専門性と透明性を必要とし、政治や官僚機構の利害とは無縁であるべきことは言うまでもありません。評価能力のある人が必要となるでしょう。

優秀な人材を採るためには、成績が向上しても何の報酬もない今の処遇体系では不可能です。せめて、諸外国の政府運用組織並みの処遇ができなければ不可能です。

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