くにうみの先見

政府が国民の貯蓄を吸い上げ尽くそうとしている

過去20年間の驚異の高度成長によって、地方も合わせた日本の政府部門の借金(国債や地方債と借り入れなど)の総額は、ついに1002兆円に達した。国民の金融資産は、住宅ローンなどの借金を差し引けば1079兆円である。その差は、あと77兆円しかない。
しかも、国債につぎ込める日本人の貯蓄は急速に細っている。20年前は日本の貯蓄率は15%程度であった。ところが、直近の2008年には2%台に低下した。
高齢化が進んで貯蓄を取り崩す人が増えたうえ、国民の所得が伸びないためだ。だから、1年間に金融機関に流入する貯蓄は10兆円を下回る。年間160兆円の国債発行を消化するにはあまりにも小さい。
それでも、これまで国債が消化されてきたのは、金融機関や年金が民間への資金を減らした分で国債を買ってきたからだが、それも限界に近づいている。国債の消化不能が見えてきたのだ。

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