くにうみの先見

国債ゼロの国へ

かつて、日本の誇りは赤字国債がないことだった。今は国債まで沈みかけている。
今も国債発行ゼロの国がある。シンガポールだ。シンガポールの社会保障基金は、国家戦略ファンド(SWF)として有名なTamasekやGICを通じて、全て長期成長をする対象に投資されている。
だから、日本最大の不動産投資家の1つがシンガポール政府だ。中国でも天津などで環境未来都市を展開する。
日本では、環境未来都市にも高齢化対応地域の開発にも、公的年金やゆうちょ銀行やかんぽ生命の資金は一銭も出ない。だから、シンガポール政府に資金をお願いに行く、というマンガのような状況が日本の金融の現実だ。
かくして、中国からも遠く離れた赤道直下、淡路島と同じ広さの人口400万人の島国シンガポールの1人当たり国民所得は日本よりも高い。国債はゼロ、長期資金は成長戦略投資という戦略を営々と続けてきた結果だ。
日本も、借金を将来の世代に背負わせるのを止め、もう一度赤字国債ゼロの国に戻り、長期の貯蓄は長期の成長に投資する、当たり前の国に生まれ変わる今が最後のチャンスだ。

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